オーディオの名門サンスイのブランドを使うには少し力不足？　SUR-１

山水電機といえば日本のオーディオ全盛期の名門ブランド。
同社のプリメインアンプAuシリーズは艶消しブラックの重厚な外観と、ジャズには絶対に向いていると言われた音で70〜80年代の日本のオーディオではトップクラスのブランドでした。
但し、トランスメーカーを出自として戦後に出来たメーカー故にソニーやナショナル、ビクター辺りと比べると企業としての体力には大きな差が有り、製品には出来不出来のムラがあった様に思います。
同社は84年に500億円強の売上を記録しましたが、その後はオーディオブームも去り労働争議等もあって業績が低迷、平成元年には英国のPPIというファンド？の傘下に入るも、PPIも直ぐに破綻し、香港系の会社の傘下に入ったりした後．平成24年に民事再生法の適用を受けたものの、経営は好転せず同26年に破産します。
それでも同社のブランドを惜しむ声は強く、色々な商品を手掛けるドウシシャがSANSUIブランドで令和3年迄細々と製品を出して居ました。
このラジオはそんな背景でドウシシャが更にユーキャンと提携して「昭和ラジオ」のネーミングで売り出した物です。
ユーキャンのオーディオ製品としては日本コロンビアと共同で発売されたアナバスというCDラジオが有り、此方が魂消る程良い音を出したので、今回はサンスイのブランドもあってポチった物です。
届いたのは殆ど新品の様な個体でした。木製のトップパネルに些少なキズが有りましたが、中華製では良くある事なので、略新品に近いと思います。一応微細な磨き粉を使って磨いたので、キズは取れています。
このラジオのもう一つの売りである昭和の貴重音源(NHK所蔵)も聞けますし、ラジオとしての機能にも問題が無いことは確認済みです。
但し、サンスイというブランドで期待した音については正直イマイチです。
繊細さは有り、弦楽器などは綺麗に鳴らしますが、低音が殆ど出ず、乾いた軽い音です。
φ66mmのスピーカー２つで4Wの出力ですから、最近の技術を使えばもっと深みの有る分厚い音が作れる筈ですが、音源、ブランド、見栄え等色々な方面に少しずつお金を掛けた結果、一番大事なの音にコストが掛けられなかった様です。
小生の評価は厳し目ですが、収録されている音源は結構貴重で、昔を懐かしむ縁に偶に聞いてみるには良いと思います。操作性も良い様です。
電池のみお付けします。

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